| 156 アイリーンの気持ち |
「あなたが日本に帰ってからずっとあなたの事ばかり考えてた
あなたの優しい顔・優しい声・あなたの言葉
ケーシーにお願いしてハートからの電話に出る様になって
また逢いたいなっていつも思ってた
でもハートはお母さんの恋人だから
私の事娘としか思ってないんだなと思ったら寂しくなった。
それまでは娘って思ってもらえれば助けてもらえるって思ってたのに
一人の女性として見てもらいたいって思ってたの
それでダディって呼び方止めて
ハートを色々困らせて
あの時ほんとにハートは困ってたよね」
と言い笑った。
「うん あの時は焦ったな
だってまだ子供のアイリーンが私じゃダメなの?って
なんかドキドキしたよ」
と俺も笑った。
「今でもまだ私は子供だけど
あなたの事を愛してるって気持ちだけはほんとよ
この気持ちは変わらない」
「俺も気持ちは変わらない
喧嘩する事もあるだろうし遠距離恋愛だから寂しい時もあると思う
でも二人なら絶対乗り越えられるし
たくさんの幸せも二人で分かち合えるよね」
と言い二人はまだ抱き合いキスをした。
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| 155幸せ |
長いキスが終わった後でアイリーンは
「生まれてきてから今が一番幸せ」
と笑顔で言った。
「俺もほんとに幸せだよ
人を愛するってほんとに幸せだし
愛されるって言うのも幸せ。
お祖母さんが言った通りだよ
お祖母さんは二人がこうなる事わかってたのかな?」
と笑った。
「ねぇ ハート
ハートって言うのはスウィートハート(恋人を指す呼び方)と
私の心って意味なの
私ね お母さんが亡くなった後
子供ながらにやっぱりショックだったの
でもね それ以上に怖かったの
これから私達どうなっちゃうんだろうって。
こんな事考えるなんて悪いのかも知れないけど
子供心にお父さんは元々居なくてお母さんも居なくなって
お爺ちゃんもいなくなって・・・
ハートが心配しなくていいって言ってくれた時
凄くホッとしたの
でも最初はね ハートに嫌われない様に必死だったの
もしハートが3人の事嫌いになったら
私達どうなっちゃうんだろうって
でもハートはいつも優しくて私達の事一番に考えてくれて
凄く嬉しかった
でもね その時はそれだけ
あのね ハートの友達がマニラで結婚したでしょ?
あの結婚式の時ハートの顔見てたら
凄く寂しそうだったの
私はそれまで自分がどうなるかって事ばかり不安で
ハートの事まで考えてなかったの
でもあの結婚式の時のハートの顔見たら
自分が幸せじゃないのに私達を助けてくれてるんだと思ったの」
そこまで言ってアイリーンは一旦空を見上げた。
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| 154告白 |
「ちょっと二人で外に行ってくるね」
とケーシーに言い俺はアイリーンを外に連れ出した。
「ビックリした?」
「凄くビックリしたよ〜 でも凄く嬉しかった
私幸せ ありがとう」
「アイリーンに会いたくて仕方なかったんだよ」
「えっ?」
「俺さ 日本に帰ってから色々と考えようとしたんだけど
帰ったらアイリーンの事しか考えられなかった
最初はクリスティーナの娘だからアイリーンを愛する事は
一番難しいと思ってたんだ
アイリーンの事を考えるとクリスティーナの事も考えちゃうから
でもさ 帰ってからの俺はクリスティーナの娘じゃなくて
アイリーンを一人の女性として自然に考えられて
アイリーンの事しか考えられなくなってたんだ
もし今でも俺の事が好きなら金持ちでもないし
格好良くも無いし歳だってとってる俺だけど
付き合ってくれないかな?
俺はアイリーンを愛してる」
と言った。
アイリーンはそれを聞いた瞬間俺に抱きついてきて 俺達は初めてのキスをした。
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| 153 誕生日 |
2006年6月 アイリーンの17歳の誕生日に合わせ俺はフィリピンを訪れる事にした。 アイリーンに自分の気持ちをぶつける為に。
サプライズと言う事で俺はケーシーにだけ フィリピン行きを伝え
「アイリーンには内緒にしといてくれ」
と言った。
「いきなり行ったらどんな反応を示すだろう」
と考えると楽しかったが反面で
「もし彼女の気持ちが心変わりしていたらどうしよう」
と不安でもあった。
誕生日前日
「明日は誕生日だね 何か予定あるの?」
と聞くと
「何もないよ ケーシーと二人だけかな?
近所の人に料理あげるかも」
との答え。
「そっかそっか
じゃ 明日仕事終わったら電話するからね」
と言い電話を切った。
次の日の朝便で日本を出発し最寄りの空港に夕方には着き タクシーで一人アイリーンとケーシーが待つ家へと行った。
家の少し手前で降ろしてもらいドキドキしながら
「トントントン」
とノックをするとケーシーがアイリーンに
「誰かきたから出て」
と言う声が聞こえた。
これは予め立てた作戦で上手くケーシーは演じてくれ
「は〜い」
とアイリーンがドアを開けた。
「ハッピーバースデイ〜〜」
とデパートで買った薔薇の花束をアイリーンへ。
アイリーンはしばらく眼を大きく見開きポカーンとしその後
「え〜〜〜〜〜〜〜
え〜〜〜〜」
と奇声を発し
「なんでここにいるの?!」
と驚いた顔のまま聞いた。
「ビックリさせたくて」
と笑うと驚いた顔は泣き顔に変わり
「ハート」
と俺の胸に抱きついてきた。
ケーシーが
「上手くいったね」
と笑い涙が止まらないアイリーンを撫でた。
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| 152 会いたい |
日本に帰ってからの俺は アイリーンの事ばかり考えていた。
アイリーンの事を考えると母であるクリスティーナは浮かぶのだが それまでのクリスティーナの事を考え彼女の家族の事を考える って言うのとは真逆になっていた。
俺は
「アイリーンを愛する事は誰を愛する事よりも
難しい事なんじゃないか」
と思ってた。
何故ならクリスティーナの娘と言う事で 嫌でもクリスティーナの事を思い出し比べてしまうからだ。
しかし実際はそうではなく 今まで何年も消えなかったクリスティーナとの日々が アイリーンの存在で消えていたのだ。
毎日の電話がとても楽しみで たまに届く手紙がとても幸せで 俺はクリスティーナを愛した時とはまた違う最高な時を過ごしていた。
クリスティーナとの恋愛は何もかもが新鮮で 全てが初めてで 世界観が変わる様な恋愛だった。
今アイリーンに感じるのはそれとは違い コタツでヌクヌクしてる様なポカポカした気持ち。
「俺はアイリーンの事が心から好きなんだな」
と実感した。
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