| 24寂しさ |
クリスティーナがフィリピンに帰ってからの俺は 会社とアパートの往復と言う 数か月前の生活に戻った。
会社の帰りにクリスティーナが居たフィリピンパブの前を通るのだけど スタッフやフィリピーナ達が声を掛けてくる。
その度に
「クリスティーナはまだだよね?」
と聞き
「まだですね」
と言われガッカリする。
わざわざチェックしなくても帰ってくれば電話をくれるんだろうけど 何処かで
「はい 戻ってきました」
と言われるんじゃないかと期待する自分。
またこの頃って日本も携帯はまだ若干高かったし フィリピンではそれ以上に高かったから まだ一般的じゃなかったのではと思う。
だからクリスティーナは携帯を持って無く これまでも声を聞きたくても聞けないって言うのが この時代以上に切なかったり一層愛したりする要因だったのかも知れません。
スタッフは勧めなかったけど フィリピーナ達は
「クヤ(お兄ちゃん)大丈夫よ!
たまにはお店いいでしょ?」
なんて俺を誘ったけど 俺はクリスティーナとの約束を守り 行きたい気持ちはあったけど我慢していた。
元の生活に戻った訳だが 唯一変わったのは酒を飲まなくなった事だ。
お金をキープしたいのもあったし それ以上に以前の様に酒に逃げたい気分はなかった。
自分の中で何が一番大事なのかも分かったし それまでは東京から逃げる事ばかり考えていたが
「東京に居なきゃクリスティーナと会えない」
と言う絶対的なものがあったから この街での暮らしにも苦痛を感じなくなってた。
ただ一緒に居る時以上に彼女の大事さや 彼女を愛してるんだって事は強く思い知らされた。
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